さかぶーのペーパーバックレビュー
英語の洋書ペーパーバックレビュー!
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Many Stones/Carolyn Coman
Many Stones by Carolyn Coman【ストーリー】16歳のBerryは離婚後別居していた父親と共に南アフリカを旅することになった。
父親の仕事もあったが、数年前に南アフリカでのボランティア活動中に亡くなった姉Lauraの追悼式に出席することが主な目的だった。
しかし父の本心は、疎遠になり、父親から気持ちがまったく離れてしまっている娘との距離を埋めたいという思いがあった。
当のBerryは父と、そして何より姉の死に対してやり場の無い怒りを抱え、すべての出来事に無関心になっていた。
そんなBerryも、アパルトヘイト、政治、投獄など、南アフリカに暮らす人々の真実を目の当たりにするうちに、様々なことに目を向けていく。
しかし肝心な父との確執はなかなか解決の糸口が見つからなかった。。

【感想】まず「すごいな」と思いました。
テーマもしかり、物語の展開もしかり。
どういった理由でこんな物語ができあがったのか、是非作者に会えたら聞いてみたくらいです。
家族の誰かが亡くなったために、壊れてしまった家族の心を癒す事件が起こる物語、といのはかなり沢山ありますが、南アフリカのボランティアで亡くなった姉の追悼式のために、父と娘が旅をする、というのはなかなかないですよね。
しかも本当のテーマは「父と娘」という。。

無関心を装い、父に嫌な態度を取ることで、自分が一番傷ついている。。というBerryの行動には、思い当たるものがあります。
私も自身も父とはうまくいっていなかったので、理解できる部分が多くありました。

家族を捨てて出て行った父親を、何とか罰したいというような感情もなんとなく理解できるだけに、ものすごく痛々しい。

またタイトルでもあるMany stonesを使いBerryの心中を語る手法が、なんとなく日本人の作家のパターンに似ているところも面白かった。
今まで読んできた外国人作家というのは、主人公の感情を表現するのに、もちろん多くの比喩を使いますが、日本人の表現とは異なる、でも一定のパターンがありました。
しかしCarolyn Comanは、村上春樹を思わせるような、より精神的な奥深い比喩を使っているように感じました。(もちろんそういった作家は外国にもたくさんいるのでしょうが、めぐりあっていなかったので。。)

まだまだいろんな外国人作家を読む必要があるなぁ〜と、そして是非Carolyn Comanのような作家を掘り当てたいものです。

テーマ:洋書多読 - ジャンル:学問・文化・芸術

Safe Habour/Danielle Steel
Safe Habour by Danielle Steel【ストーリー】夏休みに滞在していたビーチハウスで、11歳のPipはアーティストのMattと出会う。
夫と息子を飛行機事故で亡くしたPipの母Ophelieは、最初Mattを変質者と勘違いしてひどく動揺するが、やがて3人は親子のような関係となり、Ophelieの傷も少しづつ癒えていく。
秋になりお互いの生活に戻る3人だったが、死んだ夫の衝撃的な秘密がわかり大きなショックを受けたOphelieは再びふさぎこんでしまう。
そんなある日、Ophelieはボランティアの仕事中に銃で撃たれ、命の危機にさらされてしまうのだが。。

【感想】悲しみに打ちひしがれる美しい未亡人と、離婚の傷を乗り越えようとしているハンサムなアーティストMatt。
この設定に「またきましたね〜」という感じでしたが、彼女の別の作品Accident並みの衝撃的な展開で、これでもかぁ〜という程にOphelieに不幸が襲ううち、毎度のことですがすっかりのめりこんでしまいました。
やっぱりスティールは最高のストーリーテラーだな〜と今回も唸らせてくれました。

スティール作品は主役の一人称で語られることが多いですが、今回はメイン3人の想いがそれぞれに語られていき、特に幼いPipの描写はとても切なかった。。

都会を舞台にした作品だと、若干メロドラマ的な要素が強くなるような気がするのですが、今回は海辺や海上での描写もあり、Nicholas SparksのMessage in a Bottleを思わせるような美しい描写も多く、ステキな作品に仕上がっていました。

個人的には、スティールにはGranny Danのような歴史モノを描いてもらいたいのですが、この作品は現代を舞台にしているお話としてはとてもよかったです。

泣ける話ではありませんが、読んだあとハッピーになれるおすすめの一冊です。

テーマ:洋書多読 - ジャンル:学問・文化・芸術

How I Live Now/Meg Rosoff
How I Live Now by Meg Rosoff【ストーリー】15歳のNYっ子Daisyは、夏の間一度もあったことがないイギリス在住のPennおばさんの家に滞在することになった。
はじめて会ったいとこたち、はじめての田舎生活、そして情熱的な恋愛。
穏やかな日々を過ごしていたDaisyだったが、戦争が勃発することでその生活は一変する。
自宅は軍隊に占領されDaisyはいとこたちと離れ離れになってしまう。
混乱の中、唯一一緒にいたいとこ、末っ子のPiperと共に離れ離れになったいとこがいる牧場を目指し、戦火の中を旅する2人だったが。。。

【感想】おだやかな序盤とはうらはらに、途中から壮絶なものがたりと変貌していく意外なストーリー展開。
そして「もしかしてタブーなんじゃ」と思わせる恋愛にもそわそわと、なんだか落ち着かなくて、後半はまさにpage-turnerな一冊でした。
時代設定はほぼ現代なので、突然戦争がはじまったときには少し混乱したところもありましたが、全体的にはとても読みやすく、主人公Daisyにもすぐに感情移入できました。

このお話は感心するところがたくさんあって、とても全部あげきれないのですが、やっぱりその最たるところはストーリー展開でしょう!
よくぞこんなオリジナルな話を考えたよね〜と、ひたすら感心してしまいました。
使い古された展開がひとつもないところもすごいところです。
また、200ページという少ないページ数の中で、このとっぴな展開を支えるだけのボリュームを感じられたのもあっぱれです。

NYという大都会に生まれ育ちながらも、戦争の中で苦しみ、ぎりぎりの生活をしているときに、なぜだかDaisyが「生きている」という実感を得たというくだりがあるのですが、それを読んだときこの作家のすごさを感じました。

Meg Rosoffの作品ははじめて読みましたが、今後も彼女の作品を読んでいこうと思います。お気に入りの作品に出会えて、充実した読書時間を送れました♪

テーマ:洋書多読 - ジャンル:学問・文化・芸術

The Shop On Blossom Street/Debbie Macomber
The Shop On Blossom Street by Debbie Macomber【ストーリー】父の死をきっかけに毛糸屋を開店したLydia。
彼女は癌の闘病中にニットと出会い、心の底からニットを愛していた。
そのニット教室に集まったJacqueline、Carol、Alix。それぞれの悩みを抱えた、まったくタイプの違う4人の女性たちが織り成す、それぞれの物語。
それはいつしか毛糸のように編み重なって、友情が深まるとともに1つの大きな物語りへと変化していく。

【感想】4人の女性のそれぞれのストーリーが章毎に描かれていく形式で、その話は最後ひとつにつながっていく感じが、なんともにくい構成です。
読みやすいシンプルな英文に、読者を飽きさせない程良いストーリー展開で、バッチリなバランス。
1章が短いので通勤時に読むのがとっても楽でした。

4人の中では、とにかくCarolに共感してしまいました。同じような悩み(彼女のほうがかなり深刻ですが)を持つ彼女の苦しみはまるで自分のことのようで、何度も涙してしまいました。
そしてこの物語の肝、Alix。最初はパンク娘だった彼女がどんどんきれいになっていく姿は本当に楽しかった!まさにシンデレラストーリー!最後はちょっとうますぎ?と思いつつも、でもやっぱり応援したくなるキャラクターをうまく作りだしています。

この本を読んで編み物に少し興味を持ちました。
今は時間的にも精神的にも余裕がないけれど、機会があれば是非挑戦してみたい!
ニット好きな人が読めば、まさに生涯の一冊になるかも?

やっぱり女の友情っていいなぁ〜と思った一冊でした♪

テーマ:洋書多読 - ジャンル:学問・文化・芸術

Harry Potter and the Deathly Hallows/J.K. Rowling
Harry Potter and the Deathly Hallows by J.K. Rowlingついにハリー・ポッター・シリーズの最終巻にたどりつきました。いやはや本当にすごい大作です。
今回はこれからまだ読む方もいるかと思うので恒例のストーリーは抜粋します。
で、感想ですが、いろんな意味で長かった!

思えばまだ20代の頃、はじめてハワイの本屋さんでハリーポッターの1巻を見たとき、「なんだまた魔法もの?どうせ子供だましでしょ」と鼻で笑っていたのです。。!
当時まったく無名だったローリングさんが、世界の大金持ちに名を連ねることになるほどヒットするとは誰が予想していたでしょうか?
ハリーのヒットを皮切りに数々のファンタジー作品が注目され、新しいタイプのファンタジー新時代が到来したと言っても過言ではありません。

そしてまったく個人的なことですが、自分の英語力をはかるものさしにもなっていた感慨深い作品でもあります。
多読をはじめてまったく歯が立たなかった1巻から、思いがけず出会った翻訳の仕事に憧れをもち、なんだかんだいって翻訳者としてスタートできた年に出たこの最終巻まで、本当に自分の人生にリンクしている作品です。

さて、最後の最後で明かされるさまざまな謎。
この最終巻の楽しみはそれにつきる気がします。
アマゾンのレビューを見てみると、今までの作品より若干評価が下がっているものもありますが、私はこれほどまでの大作で、最後謎解きのために説明的になってしまうのはしかたないのかな〜?と思うし、何より尊敬するダンブルドアの過去が次々と明かされ「結局ダンブルドアだって完璧じゃないんだよね」という大人の階段(古っ!)を登ったハリーが誇らしかったです。
彼をただの偉人で終わらせなかったローリングさんあっぱれ!
このおかげでかなり味わい深い作品になっていたのではないでしょうか?

巻が増すごとに増えるページ数。。「あ、これってやっぱり売れてくると自分の好きなように書けるから、あんまり編集の意向が入らないせい?」とか擦れた深読みをしていたさかぶーですが、それだけにハリーの人間性やその他魅力的な登場人物のキャラクターが詳細に描かれ、誰もが感情移入できる、楽しい作品になったのだと思います。

このあとローリングさんはどんな作品を描いていくのでしょうか?
もちろん彼女の才能はハリーで存分にわかりましたが、この後の作品は作家として大きな挑戦になるかと思います。
そういった意味でもとっても楽しみですね!

テーマ:洋書多読 - ジャンル:学問・文化・芸術



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  • Author:さかぶー
  • 英語力アップのためにはじめた、ペーパーバックの多読。
    児童書から一般まで幅広いジャンルのレビューをアップしてます。



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